大相撲小言場所


令和八年秋場所展望〜霧島の横綱昇進か、熱海富士の大関昇進か~

 今場所も休場の一報から。まずは横綱豊昇龍。怪我の状態がひどく、来場所も全休という観測がある。まだ横綱として一度も優勝していないだけに、万全の体調で帰ってきてもらいたい。続いて若隆景。こちらは先場所全休し、手術を受けた。回復途上ということなので、九州場所、地位は十両に下がるのが濃厚だが、再度の復活を期待したい。若ノ勝も上り坂だけに無理はせず、来場所に期待している。
 さて、今場所は霧島が優勝すれば横綱昇進かと言われている。ただ、ここ二場所優勝同点で決定戦で敗れている。しかも星取りはいずれも12勝。横綱に昇進するならば圧倒的な強さを見せて13勝以上での優勝で決めてもらいたい。熱海富士は今場所12勝すれば目安の3場所33勝で大関昇進と言われている。ただし、数字はあくまで目安。相撲内容で相手を圧倒し、また優勝決定戦に出るくらいの成績ならばおのずから地位がついてくる。強さともろさが同居しているだけに、つまづくとがたがたっと来そうな気がする。
 注目は横綱大の里。まだ万全の状態とは言えないかもしれないが、先場所15日間取り切ったことで、自信を取り戻してきているように見える。霧島や熱海富士の壁になって跳ね返す役割は、大の里と安青錦だと私は思う。序盤戦を乗り切ったら、もとの勢いを取り戻せるだろう。安青錦は技能派だけに、再大関の今場所も安定した相撲が期待できる。この二人が上を狙う二人に立ちはだかる姿を見たい。琴櫻にも同じ役割を期待したいのだが、大関の座を守るのがやっとという状況が続いている。祖父の横綱琴櫻もそう言われ、晩年に連続優勝して横綱に昇進したが、「姥桜の狂い咲き」などと揶揄されたというが、そこまで祖父に似せなくてもよいのだ。
 新関脇の藤ノ川は地位に関係なく持ち味のスピード相撲を取り切ってほしい。今一番土俵を沸かせるのは藤ノ川なのだから。
 新入幕は朝翠龍と寿之富士。朝翠龍は実兄の朝紅龍と同時幕内。若元春と若隆景や琴勝峰と琴栄峰の兄弟のように、番付で同じ位置に並ぶ日を待っている。寿之富士は若き日の白鵬によく似た相撲ぶりで期待している。何しろ前名は聖白鵬だから、前の師匠の白鵬さんがどれだけ期待していたかわかるというもの。幕下時代からホープとして注目されていた、その真価を発揮してほしい。
 今場所の目玉はとにかく霧島と熱海富士。その期待に応える熱戦を楽しみにしたい。

(2026年9月12日記)


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