今節はバンテリンドームナゴヤでドラゴンズと2連戦。第1戦はビーズリーが打たれたが、マラーを打ちこみ相手のミスにつけこんで逆転勝利。第2戦は伊原が好投するも大野の老獪な投球に打線が振るわず敗れる。このカードは1勝1敗。移動日をはさんで神宮球場でのスワローズ3連戦。初戦は高橋遥と高梨の投手戦で、延長戦となり、熊谷の決勝打で勝つ。第2戦は伊藤将が好投したが岩崎が土壇場で同点にされ、延長12回引き分け。第3戦は奥川を崩し、終盤大量点をとって、好投の才木はリーグトップに並ぶ12勝目不振が続いていた佐藤輝にもホームランが出、復調の兆し。このカードは2勝1分。今節は3勝1敗1分。今季通算69勝42敗3分で勝率.622で勝ち越し27。マジックナンバーは順調に減って16に。2位ジャイアンツと13.0差。3位ベイスターズとは15.5差。甲子園を高校野球に明け渡す長期ロードの勝ち越しを決めた。
◎ドラゴンズ16回戦……5-4
タイガースの先発は下半身の張りを訴えたデュプランティエに代わるビーズリー。近本がスタメンから外れ、一軍初昇格の井坪がセンターに入る。2回表、ボスラーを歩かせ、チェイビスのライト前ヒットで一三塁に。1死後、石伊のセーフティースクイズはビーズリーが本塁へ送球するが一瞬早くボスラーが生還し先制される。記録は犠打野選。マラーはスリーバント失敗で2死となり、上林の打席でビーズリーは暴投。二三塁とされたが上林を空振り三振に取り切り抜ける。ドラゴンズの先発はマラー。2回裏、佐藤輝のライト前ヒット、大山のセンター前ヒットで無死一二塁とし、中川は空振り三振に倒れたが、榮枝のライト前タイムリーヒットで同点に。1死一二塁から井坪の三塁内野安打はチェイビスの一塁悪送球を誘い走者一掃の2点タイムりエラーとなり勝ち越す。井坪は二三塁間で挟殺。3回表、板山の四球と細川のヒットで1死一二塁とされたが後続を断つ。3回裏、2死から森下のレフト前ヒット、佐藤輝の二塁への内野安打、大山の四球で満塁としたが、中川は空振り三振で好機を逸した。4回表、山本の左ひじに死球。石井のショートゴロは熊谷が二塁ベースを蹴ってから一塁に送球し併殺に。井上監督のリクエスト申請も判定は覆らず。マラーにも左ひじに死球を当てたが、上林は空振り三振。5回表、板山にライト線に二塁打を打たれると、岡林を歩かせ、1死後、ボスラーにセンター前タイムリーヒットを打たれて1点差に迫られ、ここでビーズリーは降板。二番手はハートウィグ。チェイビスの二塁後方のフライは中野が好捕したが、山本にセンター前タイムリーヒットを打たれて同点に追いつかれる。5回裏、熊谷が歩き中野のバントで二進。森下のショートゴロで三進するも佐藤輝は一塁へのライナーに倒れる。6回表、三番手ドリスは1死から上林にライト前ヒットを打たれ、板山の打席で上林は二盗。送球がそれたのを見て上林は三塁を狙うが、バックアップの中野の送球で三塁憤死。板山は空振り三振。マラーは5回3失点で降板。6回裏、二番手藤嶋から大山が歩き中川のバントで二進。2死後、井坪の三塁ゴロはチェイビスがこぼしてエラーで一三塁に。代打糸原は二塁とライトの間に落ちるテキサス性のタイムリーヒットを放ち勝ち越す。糸原の代走に高寺。熊谷のセンター前タイムリーヒットで2点差に。7回表、四番手及川は岡林にライトスタンド最前列にソロホームランを打たれ1点差に。2死後、チェイビスに二塁打を打たれるも山本はセンターフライ。7回裏、三番手メヒアから森下が四球。しかし後続は三者凡退に倒れる。8回表、五番手石井は1死から代打ブライトにライト前ヒットを打たれたが、上林の空振り三振の際にブライトが走り、坂本が刺して併殺。連続試合無失点記録を41にのばす。8回裏、四番手梅野雄の前に三者凡退。9回表、クローザーの岩崎は代打田中にセンター前ヒットを打たれ、岡林のバントで二進。細川の三遊間のライナーは熊谷が好捕。ボスラーを見逃し三振に取り逃げ切った。岩崎は25セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の糸原、タイムリーヒットと再三の好守を見せた熊谷、タイガース復帰後初勝利をあげたドリス。マジックナンバーは21。
◎ドラゴンズ17回戦……1-2
タイガースの先発は伊原。1回表、ブライトにセンター前ヒットを放ち、田中はバントの構えからヒッティングにかえレフトへタイムリー二塁打で先制される。1死後、二三塁でボスラーにショートへのタイムリー内野安打を打たれて2点差に。チェイビスは空振り三振、岡林が三盗を狙うも坂本が刺し併殺に。3回表、2死から岡林に三塁打を打たれ、細川を歩かせて一三塁とされたが、ボスラーはレフトフライに打ち取り切り抜ける。ドラゴンズの先発は大野。3回裏、レフト前ヒットの熊谷を伊原がバントで送り、近本のライトフライで熊谷は三進。中野のレフト前タイムリーヒットで1点差とし、森下のライト前ヒットで一三塁としたが、佐藤輝は空振り三振に倒れ同点機を逸する。4回裏、2死から坂本が歩き熊谷のレフト前ヒットで一二塁としたが、伊原はセンターフライに倒れる。このあと、大野の老獪な投球にタイガース打線は抑えこまれる。2回以降、伊原は立ち直ったが、6回表、細川と山本のヒットで2死一二塁とされる。ここは石伊を一邪飛に打ち取る。伊原は6回2失点で交代。7回表、二番手岩貞は三者凡退に抑える。大野は6回1失点で交代。7回裏、二番手梅野雄の前に2死から近本がヒットを放つも中野は二塁ゴロ。8回表、三番手桐敷は1死から細川への四球とボスラーのライト前ヒットで一二塁とされたが、チェイビスをショートゴロ併殺に打ち取り切り抜けた。8回裏、三番手清水の前に森下、佐藤輝、大山は三者凡退。9回表、四番手ドリスも三者凡退に抑える。9回裏、クローザーの松山から代打豊田がライト前ヒットを放ち、代走に植田。坂本のバントで二進。しかし代打糸原は空振り三振、高寺のヒット性のレフトフライで試合終了。大野の投球術にはまり、打線が分断されてしまった。ジャイアンツがスワローズに敗れたため、マジックナンバーは20に。
◎スワローズ20回戦……3-1
タイガース高橋遥、スワローズ高梨の投手戦。1回表、近本がセンター前ヒットを放つも中野の打席で二盗を試みてタッチアウト。中野と森下は凡退。2回裏、村上宗に左中間フェンスに当たる二塁打を打たれたが、オスナは空振り三振、山田哲はライトフライ、古賀の一二塁間の当たりは中野が好捕して二塁ゴロに。3回表、塚本、熊谷、高橋遥は三者連続空振り三振に取られる。4回表、レフト前ヒットの近本を中野がバントで送り、森下が歩いて一二塁としたが、佐藤輝はレフトフライ、大山はセンターフライに倒れる。4回裏、1死から村上宗にレフトスタンドにソロホームランを打たれて先制される。5回表、高寺がレフト線へ二塁打を放ち、坂本の三塁ゴロで三進。熊谷の三塁ゴロは村上宗がトンネルして高寺が生還し同点に。高橋遥のバントで熊谷は二進。しかし近本はレフトフライに倒れる。6回表、1死から森下のヒット、佐藤輝の四球、大山のヒットで満塁としたが、高寺はショートゴロ併殺。藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。高梨は6回1失点で交代。7回表、二番手大西から坂本が歩き、熊谷の空振り三振のときに大西の暴投で二進。代打糸原の二塁ゴロで三進。しかし近本は空振り三振に倒れる。高橋遥も6回1失点で交代。7回裏、二番手及川はオスナと山田哲を連続空振り三振に取るなどして三者凡退。8回表、三番手荘司に対し2死から佐藤輝と大山が連続四球。しかし高寺は空振り三振。8回裏、三番手石井は1死から岩田のセーフティーバントが内野安打となり、石井は一塁に悪送球して岩田は二進。代打宮本はライトフライに打ち取るが、増田の打席で暴投して岩田は三進。増田を歩かせ代走に丸山和。代打長岡は大山への一塁ゴロ。大山は前に弾くも落ち着いて拾いアウトに。9回表、四番手星から坂本がライト前ヒットを放ち、熊谷のバントで二進。代打豊田は投手ゴロに倒れたが近本が歩いて一二塁に。中野のレフト前ヒットで満塁としたが、森下は三塁への強烈なライナーに倒れる。9回裏、四番手桐敷は内山にセンター前ヒットを打たれるが、村上宗をセンターフライに打ち取り、オスナの見逃し三振で内山に二盗されるも、藤川監督のリクエスト申請で判定が覆り内山はタッチアウトで併殺に。試合は延長戦に。10回表、五番手石山に対し1死から大山がセンター前ヒット。高寺のセンター前の当たりは岩田がスライディングキャッチをするが捕球できずヒットとなり一二塁に。大山の代走に小幡。坂本が歩いて満塁とし、熊賀のセンター前2点タイムリーヒットでついにリード。10回裏、クローザーの岩崎は山田哲にショートへ内野安打を打たれるが古賀をショートへのライナーに打ち取ると、代打北村恵は二塁ゴロ併殺で逃げ切った。桐敷が2勝目。岩崎が26セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の熊谷。マジックナンバーは19に。
◎スワローズ21回戦……2-2
タイガース伊藤将、スワローズ山野の投手戦。1回表、1死からライト前ヒットの中野を置いて森下がレフトスタンドに先制のツーランホームランを放つ。1回裏、1死から岩田にセンター前ヒットを打たれ、内山の二塁ゴロで二進。村上宗を空振り三振に取り切り抜ける。2回裏、1死から山田哲にレフトスタンドにソロホームランを打たれて1点差に。なおも古賀と伊藤琉の連打で一二塁とされたが、山野のバントは捕邪飛に。太田をセンターフライに打ち取る。5回表、1死から熊谷がライト線に三塁打。ライト太田がボールの処理をもたつく間に三塁を陥れる。しかし伊藤将は一塁ゴロ、近本は強い当たりの三塁へのライナーに倒れて追加点は取れず。5回裏、1死から山野にショート内野安打を打たれ、太田のセンター前ヒットで一二塁とされ、岩田のバントで二三塁に。しかし内山をレフトフライに打ち取り切り抜ける。6回表、中野の投手ゴロは山野の悪送球で出塁。しかし森下がライトフライに倒れと、佐藤輝と大山は連続三振に倒れる。6回裏、2死から山田哲にセンターのフェンスに当たる二塁打を打たれたが、古賀はセンターフライ。山野は6回2失点で交代。7回表、二番手矢崎の前に三者凡退。伊藤将は6回1失点で交代。二番手及川は2死から大谷三遊間にヒット性のライナーを打たれるが、熊谷が好捕して助ける。8回表、三番手木澤から代打高寺が歩き、近本の三塁ゴロで二封。中野と森下も四球で満塁としたが、佐藤輝は4打席連続の空振り三振。大山はライトフライに倒れ追加点は取れず。ここで得点できなかったのは大きかった。8回裏、三番手桐敷は代打長岡に投手強襲の内野安打を打たれ、代走に丸山和。内山と村上宗を連続外野フライに打ち取ったところで四番手ハートウィグに交代。オスナの打席で丸山和が二盗し、坂本の悪送球で三進。しかしオスナをショートへのフライに打ち取る。9回表、四番手はアンダースローの下川。三者凡退に打ち取られる。9回裏、クローザーの岩崎は1死から古賀にセンターフライを打たれ代走に赤羽。代打三尾元のライト前ヒットで一三塁とされ、代打増田の出隻で宮本は二盗。増田を歩かせ満塁に。太田のライトへの犠牲フライで同点に追いつかれる。丸山和は空振り三振で試合は延長戦に。10回表、五番手荘司に対し1死から近本が歩くが後続を断たれる。10回裏、六番手ドリスは1死から村上宗に来旨前ヒットを打たれるが、後続を断つ。11回表、六番手大西に対し1死から大山がレフト前ヒットを放ち、代走に植田。小幡のバントで二進。しかし坂本は見逃し三振。11回裏、七番手岡留は三者凡退に抑える。12回表、七番手星から熊谷がセンター前ヒットを放つも、高寺のバントは一邪飛に。近本の二塁ゴロで二封。中野がレフト前ヒットを放つも、森下のライトへのファールフライは太田がフェンスに当たり転倒しながらも捕球し、この時点でタイガースの勝利が消える。12回裏、八番手岩貞は三者凡退に抑えて引き分け。ジャイアンツはベイスターズに勝ったが、この引き分けでマジックナンバーは18に。
◎スワローズ22回戦……8-1
スワローズの先発は奥川。1回表、1死から中野がセンター前ヒットを放つも、森下はセンターフライ。佐藤輝の打席で中野が二盗を試みるもタッチアウト。タイガースの先発は才木。1死から長岡に左中間フェンスに当たる二塁打を打たれ、内山の二塁ゴロで三進。しかし村上宗を空振り三振に取る。3回表、1死から小幡がレフト前ヒットを放ち、才木のバントで二進。近本が歩いて一二塁とし、中野がセンター前に落ちるタイムリーヒットで先制。4回表、佐藤輝がライトスタンドにソロホームランを放ち2点差とする。4回裏、村上宗にレフトスタンドにソロホームランを打たれて1点差とされる。5回裏、丸山和を歩かせ、奥川のバント警戒の隙を突かれて二盗を許す。奥川のバントで丸山和は三進。しかし太田をショートゴロ、長岡を投手ゴロに打ち取り切り抜ける。6回表、1死から大山がショート内野安打、高寺は見逃し三振に倒れたが、坂本のレフト前ヒットと小幡の二塁への内野安打で満塁とする。小幡の走塁に対し高津監督がリクエスト申請するも判定は覆らず。才木は押し出し四球を選び2点差に。7回表、中野がセンター前ヒットで出ると、1死後、佐藤輝の打席で奥川は暴投し中野は二進。佐藤輝は申告敬遠。ここで奥川は降板。二番手松本健に対し大山はショートゴロ併殺に倒れる。8回表、三番手石原から代打熊谷がレフトフェンス直撃の三塁打を放つと、坂本は右中間を破るタイムリー二塁打で3点差に。2死後、近本が歩き、中野のライト前ヒットで満塁とすると、森下は左中間を破る走者一掃の3点タイムリー二塁打で6点差に。佐藤輝はライト前タイムリーヒットで続き7点差とする。8回裏、北村恵と太田を連続空振り三振に取ったところで才木は交代。二番手島本は長岡を二塁ゴロに打ち取る。9回裏、三番手ハートウィグは1死から村上宗に二塁打を打たれ、代走に岩田。しかしオスナを三塁ゴロに取ると、赤羽を空振り三振に取って締めた。ヒーローインタビューは12勝目をあげた才木。ジャイアンツが敗れたためにマジックナンバーは16に。
愛すれどTigers週間MVP
投手……才木浩人 前日は延長戦でリリーフ陣をつぎこんだ。エースである才木に長いイニングが期待されたが、それにこたえて8回途中まで1失点。そして東(DB)と並ぶ最多勝利12勝と防御率1位を維持。ヒーローインタビューでは笑いを取りにいくところが才木らしい。次点は、白星はつかなかったが勝利に値する好投を見せた伊藤将。
野手……熊谷敬宥 ここにきてショートのスタメンに起用されたり、代打で三塁打を放ったりと昨シーズンまでの代走と守備要員としてしか扱ってもらえなかったのが噓のような活躍。岡田前監督はレギュラーと控えを固定する悪癖があり、そのため若手が育ちにくい状況があったが、藤川監督は高寺や中川、豊田などを競わせ、勝ちながら育成という難題をクリアしようとしている。結果を出した選手を起用するという当り前のことをやっているだけなのだが。次点は打率2位と3位を争う中野と近本。
次節は長期ロード最終カードとなる横浜スタジアムでのベイスターズ戦。ここにきて牧の欠場など、戦力が落ちてきている相手だけに、着実に取って、ロードを締めくくりたい。まずは村上で初戦を取る。デュプランティエも戻って来そうであるし、ここは3連勝を期待したい。そして甲子園に戻ってジャイアンツ戦。甲斐が骨折で今季絶望。岡本和が復調しつつあるが、前後を打つ打者が頼りない分、内山とオスナを従える村上宗ほど怖くはない。最低でもカード勝ち越しでマジックナンバーを一気に減らし一桁にまで持っていければ。そうなると、いよいよ優勝へカウントダウンだ。
(2025年8月25日記)