愛すれどTigers


大竹今季初完封、佐藤輝は連発

 今節は甲子園球場でベイスターズと3連戦。第1戦はケイの前に打線が抑えこまれ完封負け。第2戦は伊藤将が打たれ、東に好投されて連敗。第3戦は森下のホームランの得点を大竹が今季初完封で守り連敗を止め、このカードは1勝2敗。一日おき東京ドームでジャイアンツ最終戦。大乱戦の末、坂本勇にサヨナラ打を打たれて敗れ、0勝1敗。甲子園球場に戻ってドラゴンズ2連戦。初戦は才木と大野の投手戦となり、惜しくも1点差で大野の術中にはまり完封リーで敗れる。第2戦は佐藤輝が2ホームラン5打点の活躍で廉売を止め。このカードは1勝1敗。今節は2勝4敗。今季通算80勝49敗3分で勝率.620で勝ち越し31。2位ベイスターズと15.0差。3位ジャイアンツとは16.0差。今節は岩崎と石井を二軍で調整させ、死球打撲の近本に代わり井坪をスタメン起用するなど、CS以降に向けた藤川監督言うところの「洗濯」期間。ベテラン原口や楠本の起用など、戦力のふるい分けをしているようにも見られる。タイトル争いとともに、選手は気を抜けない。

◎ベイスターズ20回戦……0-3
 タイガース村上、ベイスターズケイの投手戦。1回裏、近本がレフト前ヒットで出るも、中野はセンターフライ。森下の打席で近本が牽制球に釣り出されタッチアウト。森下の三塁ゴロは筒香の悪送球で二進。佐藤輝は空振り三振。2回表、オースティンに左中間フェンスに当たる二塁打を打たれると、佐野恵には右中間を破るタイムリー二塁打を打たれ先制される。2死後、京田を申告敬遠して一二塁とされ、ケイには前進守備の左中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれて3点差とされる。5回表、2死から蝦名にライト前ヒットを打たれるも桑原は二塁へのフライに打ち取る。5回裏、2死から高寺がレフト前ヒットを放つも坂本誠は二塁へのフライに倒れる。6回裏、2死から中野がレフト前ヒットで出るが、森下はショートゴロ。村上は7回3失点で交代。8回表、二番手岩貞は三者凡退に抑える。ケイは7回無失点で交代。8回裏、二番手ウィックの前に三者凡退。9回表、三番手伊原も三者凡退に抑える。9回裏、伊勢がクローザーとして登板。近本が伊勢のグラブを弾く内野安打で出塁。中野の三塁ゴロで二進。森下のレフト前ヒットで一三塁としたが、佐藤輝は見逃し三振。大山は空振り三振で完封負け。優勝決定直後の試合とあって、選手の緊張感が途切れたような試合になった。
◎ベイスターズ21回戦……1-6
 ベイスターズの先発は東。1回表、1死から梅野がレフトの上を越す二塁打を放つと、2死後、佐藤輝のライトフライは蝦名が薄暮で球を見失い捕球できずタイムリー二塁打となる。タイガースの先発は伊藤将。1死後、佐野恵の投手ライナーを伊藤将は好捕、そのままのけぞるように倒れるが、無事続投。3回裏、近本の二塁ゴロは林がこぼしてエラーで出塁。1死後、森下のレフト線への二塁打で二三塁としたが、佐藤輝は空振り三振。大山が歩いて満塁とするも、熊谷はレフトフライに倒れて追加点はならず。タイガースの先発は伊藤将。3回まで走者を許さず。4回表、蝦名にセンター前ヒットを打たれ、桑原のバントは佐藤輝が二塁へ送球するも外れて野選となり一二塁に。筒香がレフトスタンドにスリーランホームランを放ち逆転される。さらにオースティンにも二塁打を打たれたが、ここは後続を断つ。5回裏、梅野のヒットと佐藤輝の二塁打で2死二三塁としたが、大山は見逃し三振で得点機を逸する。6回表、オースティンにセンター左のスタンドにソロホームランを打たれ、3点差に。東は5回1失点で交代。6回裏、二番手入江の前に三者凡退。7回表、センター前ヒットの林を石上のバントで送られ、代打ビシエドを歩かせ一二塁に。ビシエドの代走は加藤。ここで伊藤将は降板。二番手はハートウィグ。蝦名の打席で暴投し二三塁とされると、蝦名のセンター前2点タイムリーヒットで5点差とされる。7回裏、三番手宮城に対し1死から近本が歩くが後続を断たれる。8回表、三番手畠は1死から山本のヒットと林への四球で一二塁とされ、2死後、代打度会を歩かせて満塁に。しかし蝦名を一邪飛に打ち取り切り抜ける。8回裏、四番手山崎の前に三者凡退。9回表、四番手桐敷も三者凡退に抑える。9回裏、五番手佐々木に対し2死から楠本が移籍後初安打となるレフト前ヒットを古巣相手に放つが、近本は空振り三振で連敗。
◎ベイスターズ22回戦……2-0
 タイガース大竹、ベイスターズ石田裕の投手戦。2回表、1死から佐野恵のユニフォームをかする死球。しかし戸柱をショートゴロ併殺に打ち取る。4回裏、近本がレフト前ヒットで出ると、中野の打席で二盗。中野はライトフライで近本は動けず。しかし森下がレフトスタンドにツーランホームランを放ち先制。これが決勝打となる。5回表、ビシエドにライト前ヒットを打たれたが、佐野恵をレフトフライに打ち取ると、戸柱は二塁ゴロ併殺。6回表、2死から石田裕と蝦名の連打で一二塁とされたが、桑原を空振り三振に取り切り抜ける。6回裏、2死から中野がセンター前ヒットで出るも森下の打席で盗塁死。7回裏、森下が歩き、佐藤輝の打席で石田裕は暴投し、森下は二進。佐藤輝は空振り三振、今季初スタメンの原口は二塁ゴロ。高寺が歩いて一二塁としたが、木浪は空振り三振に倒れる。石田裕は7回2失点で交代。8回裏、二番手坂本裕の前に三者凡退。9回表、今季初完封を狙う大竹は代打オースティンをライトフライ、蝦名をショートへのライナー、桑原を空振り三振に下して甲子園球場での初完封を達成。ヒーローインタビューは決勝ホームランの森下と完封で8勝目をあげた大竹。
◎ジャイアンツ25回戦……10-11
 東京ドームの最終戦は大乱戦となった。ジャイアンツの先発は横川。1回表、近本がレフト前ヒットで出ると、中野の投手ゴロで二進。森下が歩き、佐藤輝の右中間のフェンス最上部に当たるタイムリー二塁打で先制。ホームランではないかと藤川監督がリクエストするも判定は覆らず、1死二三塁で再開。大山の打席で横川はつまずきながら投げてボークに。森下が生還し、2点差に。大山のレフト前タイムリーヒットで3点差とした。タイガースの先発は高橋遥。2死から泉口の投手ゴロを高橋遥が弾いてエラーで出塁。岡本和の四球と岸田のレフト前ヒットで満塁とされ、中山にライトスタンドに満塁ホームランを打たれて逆転される。2回裏、センター前ヒットの増田大を横川がバントで送り、1死二塁とされたが、丸とキャベッジを連続空振り三振に取り切り抜ける。3回表、2死から佐藤輝と大山の連打で一二塁としたが、小野寺は空振り三振に倒れる。3回裏、ライトの上を越す二塁打の岡本和を置いて、岸田にレフトポールに当たるツーランホームランを打たれ3点差とされる。中山は歩かせたが、リチャードと増田大を連続空振り三振に取る。4回表、坂本誠がライト線に二塁打を放ち、熊谷の二塁ゴロで三進。代打中川勇はショートフライに倒れ、近本は左ひじに当たる死球で一三塁に。近本が二盗して二三塁としたが、中野は投手ゴロに倒れる。高橋遥は3回6失点で降板。4回裏、二番手岩貞は1死から丸に二塁打を打たれるも後続を断つ。横川は4回3失点で降板。5回表、二番手ケラーに対し1死から佐藤輝と大山、代打高寺が連続四球で満塁とし、坂本誠のレフト前タイムリーヒットで2点差に。熊谷が押し出し四球を選び1点差に。代打に楠本が出ると、ケラーは降板。三番手は高梨。代打の代打原口が投手強襲のタイムリー内野安打を放ち同点に追いつく。塚本は空振り三振に倒れたが、中野がセンターの頭を越す走者一掃の3点タイムリー三塁打を放ち勝ち越すと、森下のセンター前タイムリーヒットで4点差に。5回表、三番手畠は1死から岸田にヒットを打たれるも中山を二塁ゴロ併殺に打ち取る。畠は6回裏も併殺打を打たせて古巣を無失点に抑えた。7回表、四番手泉に対し1死から代打糸原と中野の連打で一二塁としたが、後続を断たれる。7回裏、四番手桐敷は丸のライト前ヒットとキャベッジのライト線への二塁打で無死二三塁とされるが、泉口を三塁ゴロに打ち取り、丸は三本間で挟殺。ここで桐敷は降板し、五番手は湯浅。岡本和にセンターの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれ2点差に。岸田を歩かせ一二塁となり、2死後、リチャードに二塁中野へのフライを打たせたが、かすかに頭を越すライト前タイムリーヒットとなり1点差とされる。8回表、五番手船迫の前に三者凡退。8回裏、六番手及川は2死からキャベッジにセンター前ヒット、泉口と岡本和を歩かせて満塁とされたが、岸田をライトフライに打ち取り切り抜ける。9回表、六番手中川晧の前に三者凡退に抑えられる。9回裏、岩崎と石井が不在のため、クローザーとしてドリスが起用されたがね中山を歩かせ、リチャードにはドリスの左腕に当たる強襲ヒットで一二塁とされる。浦田のバントで二三塁とされ、代打坂本勇は前進守備のショート熊谷の横を抜けるセンター前2点タイムリーヒットを放ち、惜しくもサヨナラ負け。改めて石井と岩崎の存在の大きさを感じさせた。
◎ドラゴンズ21回戦……0-1
 タイガース才木、ドラゴンズ大野の投手戦。1回表、岡林にセンター前ヒットを打たれ、田中はレフトフライに打ち取ったが、上林の一塁ゴロで岡林は二進。しかし細川を三塁ゴロに打ち取って切り抜ける。1回裏、2死から森下がライト前ヒットを放つも佐藤輝はレフトフライに倒れる。2回表、1死からボスラーにライト前ヒット、山本にもライト前ヒットで一二塁とされたが、石伊をライトフライに打ち取ると、大野は空振り三振でここも切り抜けた。2回裏、1死から小野寺がレフト前に放った打球は細川がスライディングキャッチをしようとしたが捕れず二塁打に。坂本が歩き一二塁としたが、井坪は三塁フライ、才木はショートゴロに倒れる。以降は両投手ともテンポよく好投。5回裏、1死から井坪がセンター前ヒットを放ち、才木のバントで二進するも中野は二塁ゴロに倒れる。6回表、ライト前ヒットの岡林を田中が送り二進。上林は空振り三振に取ったが細川を歩かせ一二塁に。しかし福永をセンターフライに打ち取りここも切り抜ける。7回表、ボスラーにライト線に二塁打を打たれ、山本の二塁ゴロで三進。石伊にライト前タイムリーヒットを打たれて先制を許す。これが決勝打になった。大野のバントと岡林の申告敬遠で一二塁とされ、田中はショート内野安打。石伊は一気に本塁に突入したが、大山の好返球で憤死し、最少失点にとどめた。才木は7回1失点で交代。8回表、二番手工藤は上林、細川、福永を三者三振に取る。9回表、三番手椎葉も三者凡退に抑え、打線の反撃を待つ。大野は8回無失点で交代。9回裏、クローザーの松山に森下、佐藤輝、大山が三者凡退に抑えられて逃げ切られた。またも大野の老獪な投球の前に屈してしまったが、前日の死球で欠場の近本不在の影響も大きかった。
◎ドラゴンズ22回戦……6-2
 ドラゴンズの先発は松葉。1回裏、ライト線に落ちる二塁打の中野を置き、2死二塁から佐藤輝が差長官のフェンスに当たるタイムリー二塁打で先制する。さらに大山がレフト線へタイムリー二塁打を放ち、2点差とした。タイガースの先発はネルソン。3回表、石伊を死球で出すと、松葉のバントで二進。岡林のライト前ヒットで一三塁とされ、田中のセンターへの犠牲フライで1点差とされる。3回裏、ライト前ヒットの中野を置いて佐藤輝がライトスタンドにツーランホームランを放ち3点差とする。松葉は4回4失点で降板。5回裏、二番手近藤に対し、四球の森下を置いて佐藤輝がレフトスタンドに2打席連続のツーランホームランを放ち5点差に。ネルソンは5回1失点で交代。6回表、二番手伊原は1死から田中にライト前ヒットを打たれるも代打福永を三塁ゴロ併殺に打ち取る。6回裏、三番手梅野雄に対し1死から坂本がライト前ヒットを放つも後続を断たれる。7回表、続投の伊原は1死からぽすーにレフトフェンスに当たる三塁打を打たれ、山本の三塁ゴロの間にボスラーは生還、4点差とされる。7回裏、四番手伊藤茉の前に三者凡退。8回表、三番手畠は2死から岡林にライト前ヒットを打たれたが鵜飼を二塁へのフライに打ち取る。8回裏、五番手メヒアに対し2死から小野寺と坂本の連打で一二塁としたが、木浪はショートゴロに倒れる。9回表、クローザーとしてドリスが登板。1死から代打大島に投手前の内野安打を許すもボスラーのレフトへの大きな当たりは楠本がフェンスに当たりながらも好捕。山本を投手ゴロに打ち取り連敗を止めた。ヒーローインタビューは2勝目のネルソンとホームラン2本を含む5打点をあげた佐藤輝。


愛すれどTigers週間MVP
投手……大竹耕太郎 中5日で先発し、2年ぶり、タイガースでは2度目の完封勝利で3年連続10勝以上に近づいた。今やタイガースにとってかけがえのない左腕エースである。現役ドラフトで獲得した時はここまでになるとは予想していなかった。よほどセ・リーグの野球が本人にあっていたのだろう。
野手……佐藤輝明 甲子園でのベイスターズ戦の2連発には恐れ入った。特に浜風など関係ないライトスタンドへの当たりには日本人離れをしたパワーを感じる。村上宗や岡本とは異質の、これこそホームランバッターというあたりだ。田淵の「ホームランアーチスト」にならい、「ホームランモンスター」とでも呼ぶか。甲子園ライトスタンドへの一発は神宮や東京ドームの一発とは価値が違うのだ。

 次節はマツダスタジアムでのカープ2連戦。甲子園に戻りベイスターズ2連戦、神宮に移りスワローズ2連戦と変則な日程。これが消化試合というところか。しかも続いてその次の説には横浜スタジアムでの試合もある。その中で藤川監督が選手のモチベーションを切らせず、なおかつベストメンバーで勝つ形をどう整えていくかかせ見ものである。何しろ関東方面ではジャイアンツやベイスターズが日本シリーズに出場するかもしれないという提灯記事が紙面に載るくらい。淡い期待を打ち砕く試合を見せてもらいたい。

 才木投手が8月の月間MVPセ・リーグ投手部門に、8月のJERAセ・リーグアワード月間大賞が佐藤輝選手に贈られた。圧倒して優勝を決めた8月はエースと四番打者の活躍あってこそと公認されたのだ。素晴らしい!

(2025年9月16日記)


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