今節は甲子園球場でドラゴンズ3連戦。第1戦は柳を打ち崩し村上の好投で快勝。第2戦は大竹の3年連続10勝がかかっていたが突如崩れて敗れる。第3戦は伊原と金丸が投げ合い、1点差でリードしていたが岩崎が打たれて逆転負け。このカードは1勝2敗。数日あいて甲子園球場でスワローズと今期最終戦。村上が好投し、佐藤輝が今季40号ホームラン、そして100打点をあげ、原口の引退試合に花を添え、このカードは1勝。今節は2勝2敗。今季通算85勝54敗4分で勝率.612で勝ち越し31。2位ベイスターズと13.0差。3位ジャイアンツとは15.0差でシーズンを終えた。村上が最多勝タイ、最多奪三振、最高勝率のタイトルを確定させ、才木が最優秀防御率、佐藤輝がホームラン王と打点王、近本が盗塁王を確定させた。また、現時点で大山が最高出塁率でトップに立っている。これだけタイトルホルダーが並び、石井が自責点1で連続無失点試合の記録を作り、及川が最優秀中継ぎで2位につけ……というのだから、優勝しないわけがない。素晴らしいシーズンだった。
◎ドラゴンズ23回戦……6-2
ドラゴンズの先発は柳。1回裏、近本がレフト前に落ちるヒットで出ると、中野のバントで二進。森下はセンターフライに倒れたが、佐藤輝のレフト前に落ちるタイムリーヒットで先制する。大山の四球と前川の手首に当たる死球で満塁とし、坂本が左中間を破る走者一掃の3点タイムリー二塁打で4点差に。タイガースの先発は村上。3回表、2死から岡林の村上の足に当たる投手強襲ヒットで、村上はダグアウトに戻り治療。マウンドに戻り、細川の打席で暴投し岡林は二進。しかし細川を空振り三振に取り、村上は吼えた。3回裏、二塁打の大山を置いて坂本がセンター前タイムリーヒットを放ち5点差とする。柳はこの回限りで降板。4回裏、二番手近藤の前に三者凡退。5回表、森駿にライトポール際に三塁打を打たれ、1死後、味谷のセンター犠牲フライで4点差に。代打鵜飼の投手ゴロは村上の体に当たり内野安打となる。岡林にもヒットを打たれたが、細川を一邪飛に打ち取り切り抜ける。5回裏、三番手伊藤茉から森下は三塁ゴロに倒れるが、森駿の悪送球で森下は二進。佐藤輝のライト前タイムリーヒットで5点差に。村上は5回1失点で大事をとって交代。6回表、二番手岩貞は2死から田中のセンター前ヒット、森駿のライト前ヒットで一三塁とされ、山本にレフト前タイムリーヒットを打たれるが、味谷を見逃し三振に取って切り抜ける。7回表、三番手ドリスは三者凡退に抑える。7回裏、四番手梅野雄の前に三者凡退。8回表、四番手岩崎も三者凡退に抑える。8回裏、五番手マルテにも三者凡退に抑えられ、9回表、クローザーの石井は森駿、代打辻本を連続空振り三振に取ると、代打ブライトをライトフライに打ち取り締めくくり、48イニング連続無失点の球団記録に並んだ。ヒーローインタビューは先制打の佐藤輝、4打点の坂本、13勝目をあげ勝率1位のタイトルをほぼ確実にした村上。
◎ドラゴンズ24回戦……3-5
ドラゴンズの先発は高橋宏。1回裏、近本がセンター前ヒットを放ち、中野との間のヒットエンドランは投手ゴロで近本は二進。しかし森下は空振り三振。佐藤輝はレフトフライに倒れる。タイガースの先発は大竹。1死後、福永の投手ゴロは大竹の右足に当たり、いったんダグアウトに下がり治療。森駿を三塁ゴロに打ち取る。2回裏、大山と前川の連打で無死一二塁としたが、木浪と坂本は連続空振り三振。大竹は投手ゴロに倒れる。3回裏、センター前ヒットの近本を中野がバントで送るが、森下はまたも空振り三振。佐藤輝もまたもレフトフライに倒れる。4回表、岡林にレフト前ヒットを打たれるが、細川は空振り三振。ブライトの打席で岡林を牽制で釣り出して盗塁死。ブライトは空振り三振。4回裏、2死から木浪の四球、坂本のセンター前ヒット、大竹の四球で満塁としたが、近本はレフトフライに倒れる。5回裏、1死後、森下の三塁ゴロは森駿の悪送球で一塁セーフ。しかし佐藤輝は空振り三振。大山が歩いて一二塁としたが、前川は投手ゴロに倒れる。6回表、山本にレフトポール際に飛びこむソロホームランを打たれ、1死後、高橋宏と岡林の連打で一二塁とされ、細川にレフトスタンドにスリーランホームランを打たれて4点差とされる。6回裏、木浪が四球で出るも、坂本の投手へのライナーで木浪は飛び出し帰塁も間に合わず併殺に。大竹は空振り三振。7回表、2死から山本にライト前ヒットを打たれると、加藤匠にライト線に二塁打を打たれて二三塁とされる。しかし高橋宏は二塁ゴロに打ち取る。7回裏、近本の二塁打と佐藤輝の四球で2死一二塁とし、ここで高橋宏は交代。二番手藤嶋から大山のライトポール際に飛びこむプロ入り通算150号となるスリーランホームランで1点差に迫る。藤嶋に代わり三番手齋藤が登板。前川は捕邪飛に倒れる。8回表、岡林と細川の連打、ブライトのバントで1死二三塁とされ、ボスラーにセンターへの犠牲フライを打たれて2点差に。8回裏、四番手メヒアから木浪がライト前ヒットを放ち、代走に熊谷。しかし坂本はレフトフライ。代打ヘルナンデスの見逃し三振の間に熊谷は二盗。近本は一塁ゴロに倒れる。大竹は8回5失点で降板。9回表、二番手ハートウィグは森駿に2球投げたところで腹筋を傷めて降板。急遽三番手茨木が登板し、森駿は空振り三振。山本のショート内野安打は藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。加藤匠のバントで二進。ここで四番手島本に交代。上林のライト前ヒットで一三塁とされるも岡林をセンターフライに打ち取る。9回裏、クローザーの松山に対し2死から佐藤輝のライト前ヒットと大山の左中間を破る二塁打で二三塁の好機を作るも前川の三邪飛は板山に好捕され試合終了。山本にはホームランを含む4安打を打たれ、ファインプレーもされ、手痛い恩返しをされてしまった。
◎ドラゴンズ25回戦……2-4
タイガースの先発は伊原。1回表、岡林が一塁内野安打。伊原のベースカバーが一瞬遅れる。藤川監督がリクエスト申請をしたが判定は変わらず。鵜飼のライト前に落ちるヒットと田中のバントで1死二三塁とされ、細川を歩かせ満塁に。ボスラーのセンター前タイムリーヒットで先制される。山本はショートゴロで本封。森駿を空振り三振に取り、最少失点で切り抜けた。ドラゴンズの先発は金丸。1回裏、近本のレフト前ヒット、中野のセンター前ヒットで無死一二塁としたが、森下はライトフライ。佐藤輝のショートゴロで二三塁としたが、大山は空振り三振に倒れる。2回裏、坂本と伊原のヒットで2死一二塁としたが、近本は一塁ゴロに倒れる。その後は両投手が好投。5回裏、2死から森下がライト前ヒットを放ち、佐藤輝のレフト前ヒットは、レフトの細川が返球するも内野手が誰もカットせず、その間に森下が一気に生還して同点に。6回裏、中川がレフト前ヒットで出て、代走に高寺。坂本のバントで二進。熊谷の三塁ゴロの間に高寺は好判断で三進。代打ヘルナンデスのライト前タイムリーヒットで勝ち越す。伊原は6回1失点で交代。7回表、二番手及川が山本、森駿、石伊を三者三振に取る。7回裏、久々にジェット風船が空を舞い、1死から森下の右中間を破る二塁打でチャンスを作るが、佐藤輝は二塁ゴロで森下は三進。大山は空振り三振で追加点はならず。8回表、三番手石井は1死から岡林にセンター前ヒットを打たれ、二盗される。鵜飼のライト前ヒットで一三塁とされたが、田中のセーフティスクイズ空振りで岡林が飛び出し、坂本の送球でタッチアウトに。田中はライトフライに打ち取る。金丸は7回2失点で交代。8回裏、二番手梅野雄に対し高寺がセンター前ヒット、坂本のバントで二進。代打前川に対し、三番手齋藤に交代。前川は空振り三振。代打小野寺はレフトフライでここも追加点は取れず。9回表、クローザーの岩崎は細川にセンター前ヒットを打たれ代走に樋口。ボスラーのライト線へのタイムリー三塁打で同点に。1死後、代打福永のライト前に落ちるタイムリーヒットで勝ち越される。岩崎はここで降板。五番手は畠。石伊のバントで福永は二進。上林にレフトの上を越すタイムリー二塁打を打たれて2点差とされる。岡林は申告敬遠。代打板山はセンターフライに打ち取る。9回裏、クローザーの松山に対して近本は空振り三振。中野がレフト前ヒットで出るも森下はセンターフライ、佐藤輝は空振り三振で逃げ切られ、今季のドラゴンズ戦は惜しくも負け越しとなった。
◎スワローズ25回戦……6-2
スワローズの先発は青柳。移籍後初めて甲子園での先発。1回裏、近本がライト線に二塁打を放ち、中野の二塁ゴロで三進。佐藤輝のレフト犠牲フライで先制する。大山が歩き前川のライト前ヒットで一三塁としたが、高寺はセンターフライで追加点はならず。タイガースの先発は村上頌。3回表、青柳を見逃し三振に取り、奪三振王のタイトルを確定させる。3回表、2死から佐藤輝の投手強襲の内野安打と大山の四球で一二塁とし、前川の今季第1号となるライトスタンドへのスリーランホームランで4点差に広げる。4回表、村上宗にレフトスタンドにソロホームランを打たれて3点差に。5回裏、1死からレフト線二塁打の中野を置いて佐藤輝がライトスタンドにツーランホームランを放ち5点差とする。佐藤輝は今季40号、102打点を達成。大山が歩いたところで青柳は降板。二番手は田口。前川はショートフライ、代打森下は空振り三振。森下は今季全試合出場を達成。田口には6回裏も抑えられる。7回表、村上宗に左中間を破る二塁打を打たれ、代走に西村。オスナには右中間を破るタイムリーヒットを打たれて4点差に。オスナの代走に赤羽。北村恵のライトフライで赤羽は三進。しかし太田をショートへのフライに打ち取ると、古賀を右邪飛に打ち取り、最少失点にとどめる。7回裏、三番手木澤に対し2死から佐藤輝がライト前ヒットを放つと、代打には原口。ここで帝京高校の後輩にあたる清水が四番手で登板。最後の打席はセンターフライに倒れた。8回表、原口はそのまま一塁に入り、村上頌は7回2失点で交代。二番手の畠は三者凡退に抑える。8回裏、五番手大西に対し2死から小幡の投手強襲ヒットと坂本のレフト前ヒットで一二塁としたが、代打熊谷は見逃し三振に倒れる。9回表、原口が久々に捕手として守りにつき、三番手は同い年の岩貞。内山を歩かせたところで四番手湯浅、梅野捕手に交代。西村を二塁ゴロ併殺に打ち取ると、代打田中はセンターフライで締めた。村上頌は14勝で最多勝利を東(DB)と分け合い、勝率1位と奪三振1位を確定させた。大山は3四球で最高出塁率トップに立つ。試合終了後、藤川監督の挨拶。そして原口の引退セレモニーが行われた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……村上頌樹 今節は2度先発し、どちらも安定した投球で最多勝のタイトルを確定した。一昨年、MVPと新人王に輝いた時以上の成績を残した。CSでは才木とどちらが一番手で投げるかわからないけれど、両輪の活躍がチームを引っ張ったことは言うまでもない。
野手……原口文仁 本来なら佐藤輝をあげたいのだけれど、引退を記念して原口に。まさに記録より記憶に残る選手だった。その節目節目での活躍と何度も危機を乗り越えてきた野球人生は、セレモニーをするにふさわしい選手生活だった。
かくして、球団創立90周年の年にぶっちぎりで優勝という輝かしいシーズンが幕を閉じた。藤川監督の言うように「選手、すごいわ」という1年だった。そして、そのすごい選手をマネジメントした新監督の手腕にも唸らされることの多い1年だった。あらためて、優秀おめでとう、そしてありがとう。
第一次戦力外通告で、渡邉諒、佐藤蓮、野口恭佑、川原陸、ホセ・ベタンセス、鈴木勇斗、森木大智がチームを離れることになった。改めてプロの世界の厳しさを感じる。結果が出ず、期待にこたえられなければ戦力外を通告される選手が出るのは仕方ない。今後の活躍に期待したい。また、現役ドラフトでベイスターズに移籍した浜地真澄選手も戦力外に。ただ、育成枠での契約が報じられているので、また支配下に戻って活躍してもらいたい。
(2025年10月3日記)