日本シリーズはパ・リーグの覇者であるホークスとまずはみずほPayPayドームで対戦。初戦は村上が1失点の好投を見せ、有原から近本の盗塁を起点に足攻で逆転し、先勝。第2戦はデュプランティエと岩貞が打ちこまれて10失点で大敗。どちらの試合も両チームの特徴がよく出て、移動日をはさんで舞台は甲子園球場に移る。
◎ホークス1回戦……2-1
タイガース村上、ホークス有原の投手戦。1回表、2死から森下がレフト線に二塁打を放つも佐藤輝は空振り三振。1回裏、柳田を歩かせ、周東の二塁ゴロで二封。柳町の打席で周東は二盗。柳町は空振り三振に取ったが、近藤にセンター前に運ばれるタイムリーヒットで先制点を許す。栗原のライト前ヒットで一二塁とされたが、川瀬を空振り三振に取り追加点は許さず。以降は両投手とも走者は出しても二塁を踏ませぬ好投。村上は牧原大に対して56kmのスローカーブでストライクを取るなど、落ち着きが出てきた。5回表、この試合、六番に抜擢された島田が二塁内野安打で出ると、高寺の打席で二盗。高寺は空振り三振、坂本はショートゴロ、小幡はセンターフライに倒れ、同点機を逸する。5回裏、1死から柳田にライト前ヒットを打たれるも、周東はライトフライ。柳町を歩かせて一二塁とされたが、近藤を一塁ゴロに打ち取り追加点は許さず。6回表、近本がセンター前ヒットで出ると、中野の打席で二盗。中野は三塁線にバントをするが、打球はフェアゾーンにとどまり内野安打となって一三塁に。森下の打席で中野が二盗して二三塁とし、森下のショートゴロの間に近本が生還して同点に追いつき、中野は三進。佐藤輝の右中間を破るタイムリー二塁打で勝ち越す。大山の投手ゴロで佐藤輝は三進。しかし島田はショートフライに倒れて突き放せず。有原は6回2失点で交代。7回表、二番手藤井の前に三者凡退。8回表、三番手松本裕にも三者凡退。村上は7回1失点で交代。8回裏、二番手及川は柳町にヒット性のレフトフライを打たれるも島田が好捕。近藤にレフトの頭を越す二塁打を打たれたが、栗原を空振り三振に取ると、ここで三番手石井に交代。代打山川を歩かせ、代走に庄子。しかし野村をレフトへのフライに打ち取り切り抜ける。9回表、四番手杉山にも三者凡退。9回裏、続投の石井は2死から柳田にセンター前ヒットを打たれて代走に緒方。周東は振ったバットが坂本のミットに触れて打撃妨害で一二塁に。しかし柳町をセンターへのフライに打ち取り逃げ切った。石井はシリーズ初セーブ。藤川監督へのインタビュに続き、ヒーローインタビューは1勝目をあげた村上。これまでに編シリーズで勝てていなかったみずほPayPayドーム(福岡ドーム、ヤフオクドーム)での記念すべき初勝利。
◎ホークス2回戦……1-10
ホークスの先発は上沢。1回表、1死から中野がセンター前に落ちるヒットで出ると、森下はショート強襲の二塁打で二三塁とし、佐藤輝のライト前タイムリーヒットで先制。なおも一三塁とチャンスは続いたが、大山は空振り三振。佐野間に佐藤輝は二盗。高寺も空振り三振で追加点はならず、これが大きく響くことになる。タイガースの先発はデュプランティエ。1回裏、柳田のレフト前ヒットと周東のライト前ヒットで一二塁とされ、柳町のバント空振りで柳田が飛び出し、二三塁間で挟殺。周東は二進。柳町が歩いて一二塁に。近藤は空振り三振に取ったが、栗原のライト前タイムリーヒットで同点とされると、山川には右中間フェンスに当たる2点タイムリー二塁打で2点差とされる。2回裏、1死から牧原大を歩かせ、2死後、周東の打席で牧原大は二盗。周東の左中間を破るタイムリー三塁打で3点差に。柳町の打席でデュプランティエは暴投し、周東が生還して4点差に。柳町は四球。近藤のライト線へのタイムリー二塁打で5点差に。ここでデュプランティエは降板。二番手は岩貞。栗原に死球で一二塁とされ、山川にレフトスタンドにスリーランホームランを打たれて8点差とされた。大量点で上沢は調子をあげ、3回表、近本、中野、森下は三者空振り三振。3回裏、続投の岩貞は2死から柳田と周東の連打で一二塁とされ、柳町に左肩に当たる投手強襲ヒットを打たれ、無念の降板。三番手の伊原は近藤をショートゴロに打ち取り満塁のピンチを切り抜ける。伊原は4回は好投。5回裏、海野と牧原大を連続三振に取ったが、柳田と周東の連打で一三塁とされ、柳町の打席で暴投し、柳田が生還して9点差に。柳町を歩かせたが、近藤はレフトフライに打ち取る。6回裏、四番手ドリスは2死から代打今宮にレフト前ヒットを打たれるも海野を空振り三振に取る。上沢は6回1失点で交代。7回表、二番手はD・ヘルナンデス。大山、代打R・ヘルナンデス、代打熊谷は三者三振に倒れる。7回裏、五番手湯浅は2死から周東にレフト線に二塁打を打たれ、これは1試合5安打の日本シリーズ記録となる。柳町は二塁ゴロに打ち取る。8回表、三番手松本晴に対し代打梅野、代打小野寺が連続空振り三振。近本がレフト前ヒットを放つも中野はセンターフライに倒れる。8回裏、六番手畠は近藤、栗原、山川に対し三者凡退。9回表、続投の松本晴から森下が歩くが、佐藤輝はショートへのライナー。四番手木村に交代。大山はライトフライに倒れたが、R・ヘルナンデスは二塁内野安打で一二塁とする。しかし熊谷は空振り三振に倒れ、試合終了。デュプランティエが完全な誤算。しかし、リリーフ陣はよく踏ん張って最少失点に抑え、1勝1敗で舞台は甲子園に。
8月以来の実戦登板となったデュプランティエの起用には疑問が残ったが、一昨年のシリーズも先勝して次に大敗したので、これでホークスに勢いをつけたとは言い切れない。ただ、この2戦では大山がブレーキになった。甲子園に戻り、大山が調子を取り戻せば、シーズン中と同様の試合運びができるはず。先発は才木、高橋遥、大竹の予想。本来の力を出せば、ホークス打線も容易に連打はできないだろうし、リードする坂本もこの2試合でホークス打線の攻略法を考えているだろう。リリーフ陣はしっかりとホークス打線を抑えているだけに、接戦に持ち込めば地の利を生かして優位に試合を運ぶこともできるだろう。鍵は大山と、その後を打つ六番打者ということになる。島田をこのままレフトで起用するのか、中川や高寺、前川ら若手を起用するのか。藤川監督の手腕の見せ所だろう。
(2025年10月27日記)